説明会 無料ではじめる

TOP > 厳選一覧 > 校正ツール厳選 > 誤字脱字チェッカーおすすめ比較 > 推敲とは

校閲・校正 > 文章

推敲(すいこう)とは?意味と使い方、短文の例文、校正との違い

更新日

推敲(すいこう)とは、書いた文章を何度も読み返し、言葉や表現をよりよく練り直すことです。中国・唐の詩人 賈島(かとう)が、詩の一字を「推す」にするか「敲く」にするか迷った故事から生まれた言葉です。この記事では、意味と由来、短文の例文、「推敲を重ねる」などの言い方、ビジネスでの頼み方、校正・校閲・添削との違い、推敲のやり方とコツを、辞書と文化庁の資料をもとに説明します。

この記事の目次

この記事の要点

  • 意味:書いた文章の字句や表現を、よく考えて練り直すこと
  • 読み方:すいこう
  • 由来:唐の詩人・賈島が「推す」と「敲く」で迷い、韓愈に相談した故事
  • 使い方:「推敲する」「推敲を重ねる」「何度も推敲する」
  • 似た言葉との違い:自分の文章を練り直すのが推敲。他人の文章に手を入れるのは添削、印刷物の誤りを原稿と照らして正すのが校正

推敲した文章を、チラシやWEBサイトに入れた後の確かめ方まで。誤字脱字チェッカーおすすめ比較 › 校正と校閲の違い ›

01推敲(すいこう)とは:意味・読み方・由来

推敲の意味

推敲(すいこう)は、書いた詩や文章の字句や表現を、よく考えて練り直すことです。辞書では、次のように説明されています。

辞書推敲の説明
デジタル大辞泉詩文の字句や文章を十分に吟味して練りなおすこと。
精選版 日本国語大辞典詩や文章を作るにあたって、その字句や表現をよく練ったり練り直したりすること。
故事成語を知る辞典詩や文章を作る際、字句や表現を何度も練り直すこと。

分かりやすく言うと、推敲は「書いた文章を、もっとよい言葉や言い方にならないか考えながら、何度も直すこと」です。誤字を直すだけでなく、言葉の選び方、文の長さ、話の順番まで見直して、伝えたいことがよりよく伝わる文章にします。

読み方と品詞

読み方は「すいこう」です。「推」は「おす」、「敲」は「たたく」という意味の漢字で、ふだんの文章ではあまり見かけないため、読みまちがえやすい言葉です。デジタル大辞泉では見出しが「推×敲」となっていて、「敲」が常用漢字表にない字であることを示しています。読む人によっては読めないこともあるため、仕事の文章や子ども向けの文章では、「推敲(すいこう)」と読み仮名をそえると親切です。

品詞は名詞で、「推敲する」の形で動詞としても使います(デジタル大辞泉では「[名](スル)」)。「推敲して」「推敲した」「推敲中」のように、ほかの言葉とつなげて使えます。

推敲の由来(賈島と韓愈の故事)

「推敲」は、中国・唐の時代の詩人、賈島(かとう)の話から生まれた故事成語です。辞書に載っている話をまとめると、次のようになります。

  1. 賈島が詩の一句に迷う

    賈島はロバに乗っている時に詩を作ろうとして、「僧は推す月下の門」(僧は月の光の下で門を押す)という句を思いつきました。けれど、「推す(おす)」を「敲く(たたく)」にした方がよいのではないかと、迷い始めました。

  2. 考えこんで、韓愈の行列にぶつかる

    手で押す・たたくしぐさをしながら考えこんでいるうちに、都の長官だった韓愈(かんゆ)の行列にぶつかってしまいます。

  3. 韓愈が「敲く」がよいと答える

    わけを聞いた韓愈は、しばらく考えて「敲く」がよいと答え、二人は並んで進みながら詩について語り合ったとされます。

この話から、詩や文章の字句を何度も練り直すことを「推敲」と呼ぶようになりました。故事成語を知る辞典では、この話は『唐詩紀事』に載っている話とされています。

故事成語を知る辞典は、この故事について「よい文章を書くためには発想の転換も必要だ、という教訓も含まれている」とも説明しています。一文字を選ぶのに迷うほど言葉にこだわることと、ほかの人の意見を聞いて考えを変えることの両方が、推敲の大事な所だと言えます。

迷った詩の一句

精選版 日本国語大辞典では、この話の出どころとして『苕渓漁隠叢話』を挙げ、詩の二句を「鳥宿池辺樹、僧敲月下門」と示しています。読み下すと「鳥は宿る池辺の樹、僧は敲く月下の門」で、池のほとりの木に鳥が眠り、月の光の下で僧が門をたたく、という夜の景色です。賈島は、この「敲く」の所を「推す」にするか「敲く」にするかで迷いました。

賈島(かとう)はどんな人か

項目辞書の説明(コトバンク「賈島」)
時代・生没年中国・唐の詩人。779~843年(デジタル大辞泉)
出身・字(あざな)范陽(河北省)の人。字は浪仙(デジタル大辞泉)
僧だったころはじめ僧侶で無本と号し、のち韓愈に認められて還俗し、仕官した(精選版 日本国語大辞典)
詩の特色五言律詩にすぐれる(デジタル大辞泉)。一字一句に苦吟を重ねる詩風(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)
作品『賈浪仙長江集』など(デジタル大辞泉)

「一字一句に苦吟を重ねる」と説明されるとおり、賈島は言葉を選ぶのに、とことん時間をかける詩人でした。そうした人の話から「推敲」という言葉が生まれたことは、言葉の意味をよく表しています。

推敲が大事な理由

書いた本人は、何を言いたいかを知っているので、言葉が足りない所も頭の中で補って読めてしまいます。けれど、読む人には、書かれている言葉しか届きません。推敲は、書いた人の目から、読む人の目に切りかえて、文章を見直す作業です。

  • 読む人の時間を守る:結論が先にあり、一文が短い文章は、読む人が何度も読み返さずにすみます。
  • 誤解を防ぐ:あいまいな言い方や、どちらにも取れる言い方を直すと、行きちがいや、やり直しが減ります。
  • 信頼につながる:誤字や数字のまちがいが少ない文章は、内容まで、ていねいに作られていると受け取られやすくなります。

02推敲の使い方と例文

推敲は、「推敲する」「推敲を重ねる」「推敲中」のように使います。辞書では、デジタル大辞泉に「推敲を重ねる」「何度も推敲する」という使い方が載っています。ここでは、ふだんの場面で使える短い例文を集めました。

推敲を使った短文の例

使い方例文
推敲する提出する前に、報告書をもう一度推敲する。
推敲して一晩おいてから推敲して、言いすぎの所を書き直した。
推敲した何度も推敲した挨拶文なので、当日は落ち着いて読めた。
推敲を重ねる推敲を重ねて、三ページあった案内文を一ページにまとめた。
何度も推敲する大事なメールは、送る前に何度も推敲するようにしている。
推敲中企画書は今推敲中なので、明日の朝にお送りします。
推敲が足りない読み返すと話の順番が分かりにくく、まだ推敲が足りないと感じた。
推敲の時間締め切りの前日を、推敲の時間にあてている。
推敲した案推敲した案を二つ用意して、どちらがよいか意見を聞いた。
推敲を経て何人もの推敲を経て、パンフレットの文章ができあがった。

「推敲して」とは、どういう意味か

「推敲して」と言われたら、「書いた文章を読み返して、言葉や言い方をよりよく直してください」という意味です。誤字を直すだけでなく、分かりにくい所や言いすぎの所、話の順番などを見直すことを求められています。どこを中心に見ればよいかが分からない時は、「読みやすさを中心に見ればよいですか」のように、確かめてから取りかかると安心です。

「推敲案」とは

「推敲案」という言葉は、辞書には見出しとして載っていません。ふだんは「推敲した案(直した案)」という意味で使われることが多く、元の文と並べて「直した後の文の案」を示す時に使います。仕事で使う時は、「修正案」「直した案」と言いかえると、誤解なく伝わります。

「推敲」を使って短文を作るこつ

学校の宿題などで「推敲」を使った短文を作る時は、「何を」「いつ・なぜ」推敲したかを入れると、意味が分かる文になります。たとえば、「作文を推敲した。」だけでなく、「先生に出す前に、作文を声に出して読みながら推敲した。」のように書くと、推敲が「読み返して練り直すこと」だと伝わります。

場面ごとの例文

場面例文
学校の作文作文を書き終えたら、清書の前に一度推敲しよう。
読書感想文あらすじが長くなりすぎたので、推敲して自分の感想を増やした。
仕事の報告書報告書は、結論が先に来るように推敲してから提出してください。
WEBの記事公開する前に、見出しと本文が合っているかを推敲した。
小説・詩作家は、一つの言葉を選ぶために推敲を重ねることがある。
スピーチ声に出して読みながら推敲し、言いにくい言葉を言いかえた。

03推敲の慣用表現と、近い言葉

推敲は、「推敲を重ねる」のように、くり返し練り直すことを表す言い方とよく一緒に使われます。辞書に載っている使い方と、近い意味の言葉をまとめました。

推敲を使ったよくある言い方

言い方意味例文
推敲を重ねる何度も練り直す(デジタル大辞泉の用例)推敲を重ねて、ようやく納得のいく文章になった。
何度も推敲するくり返し読み返して直す(デジタル大辞泉の用例)応募の作文を何度も推敲する。
推敲が足りない練り直しがまだ十分でない(故事成語を知る辞典に「どうも未だ推敲が足りません」の用例)言葉が重なっていて、推敲が足りないと指摘された。

推敲に近い意味の言葉(類語)

デジタル大辞泉では、推敲の類語として、次の言葉が挙げられています。

言葉使い分けのめやす例文
改稿・リライト原稿を書き直すこと。推敲よりも、大きく書き改めるときによく使う締め切り前に、原稿を大きく改稿した。
添削ほかの人の文章や答案に手を入れて直すこと(05で説明)先生に作文を添削してもらった。
練る文章や考えを、よりよくなるように何度も考えること発表の構成を、もう一度練る。
筆を入れる・朱筆を入れる・朱を入れる・手を入れる・手を加える書いた物に直しを書き加えること。「朱を入れる」は赤い字で直しを入れること上司が企画書に朱を入れて返してくれた。
補筆・筆削書き足すこと(補筆)、書き加えたり削ったりすること(筆削)足りない説明を補筆した。
彫琢(ちょうたく)文章などを、ていねいに磨き上げること一語一語を彫琢した文章。

直しを赤い字で書き入れることは「赤入れ」とも言います。赤入れのやり方と、伝わる赤字の書き方は、赤入れとはの記事で説明しています。

04ビジネスでの使い方:「推敲をお願いします」「ご推敲ください」は正しいか

仕事では、「この文章の推敲をお願いします」「ご推敲ください」のように、ほかの人に推敲を頼む言い方を見かけます。言葉の意味と敬語の決まりから、使い方を整理します。

推敲は、もともと「自分の文章を練り直すこと」

辞書の説明では、推敲は「詩や文章を作るにあたって、その字句や表現をよく練ったり練り直したりすること」(精選版 日本国語大辞典)で、文章を作る人が自分で練り直すことを指すのが基本です。一方、ほかの人の文章に手を入れて直すことは、「添削」(デジタル大辞泉:他人の詩歌・文章・答案などを、書き加えたり削ったりして、改め直すこと)と言います。

そのため、目上の人に自分の文章を見てもらう時は、「推敲してください」よりも、何をしてほしいかがはっきり伝わる言い方にすると、誤解がありません。

してほしいこと伝わりやすい言い方の例
読んで、気になる所を教えてほしい「お手すきの際に、お目通しいただけますでしょうか。」「ご確認いただけますでしょうか。」
文章を直してほしい「添削していただけますでしょうか。」「直した方がよい所を教えていただけますか。」
誤字や数字のまちがいを見てほしい「誤字や数字のまちがいがないか、確認をお願いできますか。」
部下や同僚に練り直してほしい「もう一度推敲してから送ってください。」「推敲してから、もう一度見せてください。」

「ご推敲」という形について

文化庁の「敬語の指針」では、「お」と「ご(御)」の使い分けは「『お+和語』『御+漢語』が原則」とされています。「推敲」は漢語なので、「ご推敲」という形そのものは、この原則に合っています。

ただし、上で見たとおり、推敲はもともと書いた人が自分で練り直すことを指します。相手に自分の文章を直してもらう場面では、「ご推敲ください」よりも、「ご確認ください」「お目通しください」「ご添削いただけますでしょうか」のように、してほしいことに合った言葉を選ぶ方が伝わります。「推敲」や「ご推敲」の使い方そのものについて、敬語の指針などの公的な資料に直接の記載は見つかりませんでした。

「ご推敲のほど、よろしくお願いいたします」は?

メールの結びで「ご推敲のほど、よろしくお願いいたします」と書くと、相手に「あなたが練り直してください」と頼む意味になります。自分が書いた文章を見てもらいたいだけなら、「ご確認のほど、よろしくお願いいたします」「お目通しのほど、よろしくお願いいたします」の方が、してほしいことと言葉が合います。反対に、相手が書いた文章について「ご推敲のうえ、お送りください」と書くのは、「ご自身で練り直してから送ってください」という意味になり、言葉の意味には合っています。

頼み方は、やわらかく

文化庁は、依頼の仕方について、「お願いします。」と言い切るよりも、「これ、お願いできますか。」「お願いしてもいいですか。」のような婉曲的な言い方の方が、相手への配慮を確実に表せると説明しています。文章を見てもらう時も、「ご確認をお願いします」より「ご確認いただけますでしょうか」のように、相手が引き受けるかを選べる言い方にすると、ていねいです。

メールの例文

場面例文
上司に企画書を見てもらう「来週の会議で使う企画書の案をお送りします。お手すきの際にお目通しいただき、直した方がよい所があれば教えていただけますでしょうか。」
社外の人に原稿を確かめてもらう「掲載予定の紹介文をお送りします。御社のお名前や数字にまちがいがないか、ご確認いただけますでしょうか。〇月〇日までにご返信いただけますと助かります。」
推敲した後の文を送る「いただいたご意見をもとに推敲し、二点を直しました。直した所は赤字で示しています。」
部下に練り直しを頼む「全体の流れはよいと思います。結論を最初に書き、一文を短くするように、もう一度推敲してから送ってください。」

チャットで頼む時の例文

社内のチャットでは、メールより短く書くことが多くなります。短くても、何を、いつまでに、どこを中心に見てほしいかは入れておきます。

相手例文
上司「お客様向けの案内文の案です。言い回しにおかしな所がないか、明日の15時までに見ていただけますか。」
同僚「この報告書、数字と固有名詞だけ確認してもらえますか。急ぎではないので、今日中で大丈夫です。」
部下「下書きありがとう。結論を最初に移して、もう一度推敲してから送ってください。」

仕事で「推敲」を言いかえる言葉

「推敲」はやや硬い言葉なので、相手や場面によっては、ほかの言葉に言いかえると伝わりやすくなります。

言いかえ使う場面の例
見直す「送る前に、もう一度見直します。」ふだんの仕事で、いちばん使いやすい言い方
練り直す「構成から練り直します。」話の順番や中身まで考え直す時
手直しする・手を入れる「いただいた案に、少し手を入れました。」部分的に直す時
書き直す・改稿する「方向が変わったので、書き直します。」大きく直す時
確認する「数字にまちがいがないか確認します。」誤りがないかを確かめる時

文章を見てほしいと頼まれた時の返し方

上司や同僚から「この文章を見てほしい」と頼まれた時は、どこまで見ればよいかを先に確かめると、行きちがいがありません。直した所は、元の文と比べて分かるように返します。

場面返し方の例
引き受ける時「承知しました。読みやすさと誤字を中心に拝見し、明日の午前中までにお返しします。」
見る所を確かめる時「内容の正しさまで確認した方がよろしいでしょうか。それとも、言い回しを中心に見ればよろしいでしょうか。」
直しを返す時「拝見しました。気になった所を三か所、赤字で書き込んでいます。最後のご判断はお任せします。」

05推敲と校正・校閲・添削の違い

推敲と似た言葉に、校正・校閲・添削があります。どれも「文章を直す」ことに関わりますが、だれが、何と比べて、何を直すかが違います。辞書の説明(デジタル大辞泉)と合わせて、表にまとめました。

言葉辞書の説明(デジタル大辞泉)主にだれが主に見る所
推敲詩文の字句や文章を十分に吟味して練りなおすこと。書いた本人言葉の選び方、言い方、文の長さ、話の順番
校正印刷物の仮刷りと原稿を照合し、誤植や体裁の誤りを正すこと。編集者・校正者・担当者原稿どおりか、誤字・脱字、体裁(レイアウト)
校閲文書や原稿などの誤りや不備な点を調べ、検討し、訂正したり校正したりすること。校閲者・担当者事実・数字・固有名詞の正しさ、内容の食いちがい
添削他人の詩歌・文章・答案などを、書き加えたり削ったりして、改め直すこと。先生・上司など、ほかの人ほかの人の文章の、直した方がよい所

仕事の流れで言うと、書いた人が推敲して原稿を仕上げ、ほかの人が添削や校閲で中身を確かめ、印刷やデザインに入った後に校正で原稿どおりかを確かめる、という順番になります。校正と校閲の違いは校正と校閲の違い、校正の仕事の流れは校正とはの記事で、くわしく説明しています。

校正だけでは、推敲の代わりにならない

校正は、原稿どおりに入っているか、誤りがないかを確かめる作業です。原稿そのものが分かりにくかったり、話の順番がよくなかったりしても、原稿どおりであれば、校正では直す対象になりにくいのです。読む人に伝わる文章にするには、形にする前に、書いた人が推敲しておく必要があります。反対に、推敲だけでは、印刷やデザインに入った後の文字の抜けや、レイアウトのくずれは見つけられません。推敲と校正は、役割のちがう、どちらも欠かせない作業です。

文章ができるまでの流れと、それぞれの出番

流れすることあてはまる言葉
1. 書く下書きを書く執筆
2. 練り直す書いた人が読み返し、言葉や順番を直す推敲
3. ほかの人が見る上司や先生が直した方がよい所に手を入れる。事実や数字を確かめる添削・校閲
4. 形にするデザインやレイアウトに文章を入れる組版・デザイン
5. 形にした物を確かめる原稿どおりに入っているか、誤字や体裁の誤りがないかを確かめる校正

推敲は、形にする前の段階で、書いた人が行うのが基本です。形にした後に大きく書き直すと、デザインのやり直しや、確かめ直しが増えます。言葉や順番は、できるだけ推敲の段階で固めておくと、後の作業が楽になります。

06推敲のやり方とコツ

推敲は、ただ読み返すだけでは、思ったほど直す所が見つかりません。見る所を決めて、順番に確かめると、短い時間でも効果が出ます。

推敲の手順

  1. 時間をおいてから読む

    書き終えた直後は、頭の中で言葉を補って読んでしまい、分かりにくい所に気づきにくくなります。できれば一晩、短くても少し時間をおいてから読み返します。

  2. だれに、何を伝えたいかを確かめる

    読む人と、一番伝えたいことを一言で書いてみます。その一言と合わない話や、なくても伝わる話は、削るか後ろに回します。

  3. 全体の順番を見直す

    結論が後ろの方に埋もれていないか、話が行ったり来たりしていないかを確かめます。仕事の文章では、結論を先に書くと伝わりやすくなります。

  4. 一文ずつ、言葉を見直す

    長すぎる文は二つに分け、同じ言葉のくり返しや、なくても意味が変わらない言葉を削ります。あいまいな言い方は、具体的な言い方に直します。

  5. 声に出して読む

    声に出すと、読みにくい所や、リズムの悪い所に気づきやすくなります。つまった所は、たいてい直した方がよい所です。

  6. 最後に誤字と事実を確かめる

    誤字・脱字・表記のゆれを確かめ、日付・数字・名前は元の資料と照らし合わせます。ツールを使うと、見落としを減らせます。

推敲でよく直す言い方

よく出る言い方直し方の例
「〜と思います」が続く言い切れる所は「〜です」「〜します」に。考えを伝える所だけ「〜と考えます」を残す
「〜ということ」「〜というもの」「〜という」を削っても意味が変わらない時は削る(例:「行くということになった」→「行くことになった」)
「〜することができる」「〜できる」に短くする(例:「申し込むことができます」→「申し込めます」)
「〜的な」「〜性」の多用具体的な言葉に言いかえる(例:「効率的な対応」→「すぐに返事をする」)
「さまざまな」「いろいろな」中身を一つか二つ、具体的に書く(例:「さまざまな機能」→「書き込みと共有の機能」)
「〜が、〜が」と続く文「が」で長くつながる文は、二つの文に分ける

推敲のチェックリスト

見る所確かめること
目的読む人と、一番伝えたいことがはっきりしているか
順番結論が先にあるか。話が行ったり来たりしていないか
一文の長さ一文に、言いたいことを詰めこみすぎていないか
言葉のくり返し同じ言葉や、同じ文末(〜です。〜です。)が続いていないか
あいまいな言い方「なるべく早く」「多くの」など、人によって受け取り方が変わる言い方がないか
言葉づかい読む人に合った敬語か。二重敬語になっていないか
表記誤字・脱字、表記のゆれ(「お問い合わせ」と「お問合せ」など)がないか
事実日付・数字・名前・URLが、元の資料と合っているか

推敲の前と後の例

推敲の前推敲の後直した所
次の打ち合わせはいつにしますか。次の打ち合わせは、〇月〇日(火)10時か、〇月〇日(木)14時のどちらかでいかがでしょうか。相手が答えやすいよう、候補を示した
資料をなるべく早く送ってください。資料を〇月〇日(金)までにお送りいただけますでしょうか。あいまいな期限を、日付に直した
このたびは、ご参加いただき、ご協力いただき、ありがとうございました。このたびは、ご参加とご協力をいただき、ありがとうございました。「いただき」のくり返しをまとめた
新しい機能を追加したことにより、使い方が変わったので、マニュアルを直す必要があるので、確認をお願いします。新しい機能の追加で、使い方が変わりました。マニュアルを直したので、ご確認をお願いします。長い一文を分け、「ので」のくり返しを直した

場面別:推敲で特に見る所

文章特に見る所
メール件名だけで用件が分かるか。お願いしたいことと期限が、はっきり書かれているか。宛名や会社名にまちがいがないか
報告書・企画書結論が最初にあるか。数字に根拠があり、元の資料と合っているか。読む人が決めることが分かるか
WEBの記事題名と見出しが本文と合っているか。最初の数行で答えが分かるか。リンク先が正しいか
作文・読書感想文自分の考えや感想が書かれているか。同じ言葉や文末が続いていないか。原稿用紙の使い方が合っているか
チラシ・パンフレット日時・場所・電話番号・金額などがまちがっていないか。言いたいことが一目で分かるか
SNSの投稿ほかの人が読んで、ちがう意味に取れないか。名前や日付にまちがいがないか

推敲の前と後の例(もう少し)

推敲の前推敲の後直した所
今回の企画は、いろいろな点で非常にとても大きな効果があると思われます。今回の企画で、問い合わせの件数を増やせると考えています。「非常にとても」の重なりを削り、効果を具体的にした
担当の者に確認したところ、問題はないとのことでしたので、ご安心ください。と思います。担当者に確認したところ、問題はないとのことでした。文の終わりのねじれを直し、言い切った
私が思ったのは、この本を読んで思ったことは、友達の大切さです。この本を読んで、友達の大切さを知りました。「思った」の重なりと、主語と述語のねじれを直した
申込書は、受付で配布しておりますので、受付でお受け取りください。申込書は、受付でお受け取りください。同じことのくり返しを削った
ご覧になられましたら、ご返信ください。ご覧になりましたら、ご返信ください。「ご覧になる」と「られる」が重なる二重敬語を直した

ひとりで推敲する時の工夫

  • 見た目を変えて読む:印刷する、文字の大きさや書体を変える、スマートフォンで読むなど、書いた時と見た目を変えると、見慣れた文章でも気づきやすくなります。
  • 読む人になったつもりで読む:その話を初めて聞く人が読んだら、どこで分からなくなるかを考えながら読みます。
  • 一度に一つのことだけ見る:「一回目は順番」「二回目は一文の長さ」「三回目は誤字」のように、見ることを分けると、見落としが減ります。
  • 直す前の文を残す:大きく直す時は、元の文を残しておくと、直しすぎた時に戻せます。

推敲の時間の取り方

  • 書く時間と、推敲する時間を分ける:書きながら直していると、なかなか書き進みません。まず最後まで書き、推敲は別の時間に行います。
  • 締め切りから逆算する:締め切りの直前に書き終えると、推敲の時間がなくなります。推敲の時間と、ほかの人に見てもらう時間を、先に予定に入れておきます。
  • 大事な文章ほど、日をまたぐ:お客様に出す文章や、多くの人が読む文章は、できれば日をまたいで、もう一度読み返します。

推敲でよくある失敗

  • 直しすぎて、意味が変わる:言い方を整えるうちに、元の意味や事実から離れてしまうことがあります。直した後に、元の文と意味が同じかを確かめます。
  • 直した所に、新しい誤字が入る:直した所は、まわりの文とのつながりも含めて、もう一度読み返します。
  • いつまでも終わらない:推敲には終わりがありません。目的と期限を決めて、「ここまで見たら出す」と決めておきます。
  • どれが最新か分からなくなる:ファイルの名前に日付や版を入れ、どれを最後に直したかが分かるようにします。

推敲の力をつける練習

  • 字数を決めて削る:書いた文章を、決めた字数(たとえば半分)にまとめ直します。本当に必要な言葉が分かるようになります。
  • 一言でまとめる:書く前と書いた後に、「この文章で一番言いたいこと」を一文で書きます。一文にできない時は、話が多すぎる合図です。
  • ほかの人の直しから学ぶ:添削された文章を、元の文と並べて読み、どこを、なぜ直されたかを考えます。
  • 時間をおいて、昔の文章を読む:前に書いた文章を読み返すと、書いた時には気づかなかったくせが見えてきます。

誤字・脱字や表記のゆれは、ツールで先に洗い出しておくと、推敲の時間を言葉の選び方や話の順番に使えます。ツールの選び方は、誤字脱字チェッカーおすすめ比較の記事で説明しています。

07推敲を手伝うツール

推敲そのものは人が考えて行うものですが、ツールを使うと、誤字や表記のゆれ、言い回しの気になる所を先に知らせてくれます。推敲でツールに任せられる事と、人がする事を分けると、次のようになります。

分け方主な中身
ツールに任せられる事誤字・脱字、表記のゆれ、言い回しの気になる所、二重敬語などの候補を、先に洗い出す
人がする事読む人に伝わるか、話の順番がよいか、言いすぎや足りない所がないか、事実や数字が合っているかを確かめ、どの言葉を選ぶかを決める

推敲を手伝う主なツールです(2026年10月24日〜26日、各社の公式サイトや発表で確認。料金の金額は変わることがあるため、料金の形だけを書いています)。

ツール(提供)主にできること(公式の記載)無料で試す方法料金の形
文賢
ウェブライダー
文章の校正と推敲をアシスト。ルール校正、辞書のチーム共有、AIアシスト14日間の無料トライアル1ユーザーごとの月額
Typoless
朝日新聞社
誤字脱字・誤変換・タイプミス、助詞や同音異義語の誤り、炎上リスクチェック、良文サポート、カスタム辞書無料トライアルあり個人向けと法人向けのプラン
Shodo
ZenProducts
誤字・敬語・表記ゆれ、同音異義語・変換ミスなどのチェックベーシックプランは永年無料1名ごとの月額(ビジネスは1名あたり)
Word の[エディター]
Microsoft
スペルと文法のチェック([ホーム]>[エディター]か F7)。日本語の文章校正は、デスクトップ版で一部使えない機能があると記載Word に入っている機能Word の使用に含まれる
Just Right!7 Pro
ジャストシステム
誤字脱字、仮名遣い、ら抜き表現、同音語、二重敬語、公用文のルールなどのチェック法人向けの30日間の体験版法人は買い切り(使う台数分)

文賢は、公式サイトで「文章の『校正』『推敲』をアシストするクラウドツール」と説明されています。入力した文章はAIの学習データとして使わず、文賢のサーバーにも保存しないと説明されています(AIアシストに送った文章は、OpenAI社のサーバーに30日間保管)。

生成AIに推敲を手伝ってもらう時

ChatGPT などの生成AIに文章を渡して、「読みやすくする案を出して」「もっと短くする案を出して」と頼むと、言いかえの候補を出してくれます。使う時は、次の点に気をつけます。

  • AIが出すのは候補:AIの案は、元の意味や事実と変わっていることがあります。採るかどうかは、元の文と比べて、書いた人が決めます。
  • 入力した文章の扱いを確かめる:OpenAI のヘルプでは、個人向けのプラン(Free・Plus・Pro)は、既定で会話がモデルの改善に使われることがあり、設定の[データコントロール]から止められると説明されています。法人向けのプラン(Business・Enterprise・Edu)は、既定で学習に使わないとされています。
  • 事実と数字は、元の資料で確かめる:AIは、まちがった事実をもっともらしく書くことがあります。日付・数字・名前は、必ず元の資料と照らし合わせます。

AIで下書きした文章を、人が確かめて直す流れは、AIで作った記事の確認と赤入れの記事でも説明しています。

ツールを使う時に気をつけること

  • 社外に出せない文章を入れる前に:入力した文章の扱い(学習に使うか、保存するか)を、各ツールの公式の説明で確かめます。会社の決まりがある時は、それに従います。
  • 指摘をすべて受け入れない:固有名詞や、わざと使っている言い方まで指摘されることがあります。直すかどうかは、文章の目的に合わせて決めます。
  • ツールが見ない所は、人が見る:話の順番や、伝えたいことが伝わるかどうかは、人が読んで確かめます。

ツールが出すのは「直した方がよいかもしれない所」の候補です。どの言葉を選ぶか、どの話を残すかを決めるのは、書いた人です。ツールで誤字や表記のゆれを減らし、浮いた時間を、言葉の選び方や話の順番を考えることに使うのが、ツールを使った推敲のこつです。誤字脱字を調べるツールのくわしい比べ方は、誤字脱字チェッカーおすすめ比較の記事にまとめています。

推敲した文章をチラシのPDFや動画、WEBサイトに入れた後、何人かで文字を確かめる時は、校正ツール「アカポン」で、できあがった物の上にそのまま赤入れできます(PDFの校正・動画の校正・WEBサイトの校正)。

08推敲した文章を、ほかの人に確かめてもらう

自分で推敲した文章も、ほかの人が読むと、書いた本人では気づきにくい見落としが見つかります。賈島が韓愈の意見で「敲」を選んだように、ほかの人の目は、推敲の大きな助けになります。公開や提出の前に、ほかの人にも確かめてもらうと安心です。

  • 見てほしい所を伝える:「数字と固有名詞を中心に」「読みやすさを見てほしい」のように、確かめてほしい所を一言そえます。
  • 事実と数字は、元の資料で確かめる:日付・名前などは、読む人に資料と照らし合わせてもらいます。
  • 指摘は、場所と一緒に残す:どこを、どう直すかが分かるように、文章の上に書き込んでもらいます。

伝わる指摘の書き方

伝わりにくい指摘伝わる指摘
ここ、分かりにくいです。「この件」が何を指すか分かりにくいので、「〇〇の申し込み」と書くのはどうでしょうか。
長いです。一文が長いので、「ので」の所で二つの文に分けると読みやすくなります。
数字が違う気がします。参加者数が、10月の報告書(12ページ)と違います。どちらが正しいか確かめてください。

指摘は、「どこを」「どう直すか」「なぜか」が分かるように書くと、書いた人が迷わずに直せます。

書き込みをもとに推敲する時

ほかの人から指摘をもらったら、すべてをそのまま直すのではなく、一つずつ「なぜそう言われたか」を考えます。指摘の通りに直さない時も、「〇〇の理由で、元のままにしました」と一言返しておくと、同じやり取りのくり返しを防げます。直した所と、直さなかった所の両方が分かるようにしておくことが、何人かで推敲する時のこつです。

何人かで推敲する時の進め方

  1. だれが最後に決めるかを決める

    何人かで意見を出すと、反対の意見が出ることもあります。最後にどの直しを入れるかを決める人を、先に決めておきます。

  2. 同じ文章に、指摘を集める

    メールやチャットに指摘がばらばらに届くと、まとめる時に見落としが出ます。一つの文章(一つの画面)に、指摘を集めるようにします。

  3. 直したら、版を分けて残す

    直した後の文章には、日付や版の番号をつけます。だれの指摘で、どこを直したかが分かると、後から確かめる時に迷いません。

  4. 直した所を、もう一度確かめてもらう

    指摘した人に、直した所だけを見てもらうと、直しもれや、直しまちがいを防げます。

推敲した文章を、チラシ・パンフレット・WEBサイトなどに入れた後は、できあがった物の上で確かめます。校正ツール「アカポン」では、PDF・画像・動画・WEBサイトの上に直接、直しを書き込み、関わる人と同じ画面でやり取りできます。

形にした後に見落としやすい所

形にした物見落としやすい所くわしい記事
チラシ・パンフレット(PDF)日付と曜日の組み合わせ、電話番号、地図や写真の説明文、改行で切れた言葉PDFの校正
バナー・画像画像の中に入れた文字の誤字。文字として選べないため、ツールで見つけにくい画像の校正
動画テロップの誤字、話している言葉とテロップのずれ、表示される時間の長さ動画の校正
WEBサイトリンク先、スマートフォンでの改行や表示のくずれ、ページごとの言葉のゆれWEBサイトの校正

アカポンは、無料のFreeプランから試せます。無料ではじめる › PDFに赤入れして共有する方法 ›

09よくある質問

推敲とは、簡単に言うとどういう意味ですか?

書いた文章を読み返して、よりよい言葉や言い方にならないか考えながら、何度も直すことです。誤字を直すだけでなく、言葉の選び方や話の順番まで見直します。デジタル大辞泉では「詩文の字句や文章を十分に吟味して練りなおすこと」と説明されています。

「推敲して」とは、どういう意味ですか?

「書いた文章を読み返して、言葉や言い方をよりよく直してください」という意味です。誤字だけでなく、分かりにくい所や話の順番も見直すことを求められています。

推敲の由来は何ですか?

唐の詩人・賈島が、詩の「僧は推す月下の門」の「推す」を「敲く」にするか迷い、韓愈に相談して「敲」に改めたという故事から生まれた言葉です。故事成語を知る辞典では、『唐詩紀事』に載っている話とされています。

「ご推敲ください」は正しい敬語ですか?

「御+漢語」の形なので、形そのものは敬語の原則(文化庁「敬語の指針」)に合っています。ただ、推敲はもともと書いた人が自分で練り直すことなので、相手に見てもらう時は「ご確認いただけますでしょうか」「お目通しいただけますでしょうか」など、してほしいことに合った言い方の方が伝わります。

推敲に使えるツールはありますか?

あります。文賢は公式サイトで「文章の『校正』『推敲』をアシストするクラウドツール」と説明されています。ほかに、Typoless・Shodo・Just Right!7 Pro・Word の[エディター]などで、誤字や表記のゆれなどの候補を出せます(できる事はツールごとに違います。2026年10月24日〜26日、各社の公式の情報で確認)。伝わるかどうかや話の順番は、人が読んで決めます。

推敲と校正は、どう違いますか?

推敲は、書いた人が言葉や言い方をよりよく練り直すことです。校正は、印刷物の仮刷りなどを原稿と照らし合わせて、誤植や体裁の誤りを正すことです。推敲で原稿を仕上げてから、校正で原稿どおりかを確かめる、という順番になります。

推敲の前と後を比べるなら

2つの文章を貼るだけで、全文を左右に並べ、変わった文字を赤字・黄色で示す「テキスト比較・文章比較ツール」が使えます。Word(.docx)のファイルも読めて、文字数も出します。登録は要らず、文章はパソコンのブラウザの中だけで比べ、保存されません。

無料のテキスト比較・文章比較ツール ›
PDF・画像・動画も比べるなら ›

10まとめ

推敲(すいこう)とは、書いた詩や文章の字句や表現を、よく考えて練り直すことです。唐の詩人・賈島が「推す」と「敲く」のどちらにするか迷い、韓愈に相談した故事から生まれました。「推敲する」「推敲を重ねる」のように使い、自分の文章を練り直すのが推敲、ほかの人の文章に手を入れるのが添削、印刷物を原稿と照らして誤りを正すのが校正です。仕事でほかの人に見てもらう時は、「ご確認いただけますでしょうか」など、してほしいことがはっきり伝わる言い方を選びます。推敲は、時間をおいて読み、目的・順番・一文の長さ・言葉づかい・誤字と事実の順に確かめると、効果が出ます。

運営:アカポン(プロバランス.ホールディングス株式会社)ツールの情報は、更新日の時点の物です。料金・機能は、各ツールの公式サイトでお確かめください。

あわせて読みたい

校正のやり取りを、1つの画面に。

動画・WEBサイト・画像・PDF・YouTubeに、そのまま赤入れ。
メールや紙での戻しが、なくなります。
カードの登録は要りません。Freeプランでも、PDF・動画・画像・WEBサイトに赤入れできます。