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初校・再校・校了・責了とは?意味と違い、校正の流れをやさしく解説
「初校」「再校」「校了」「責了」は、印刷物や本の校正で使う言葉です。この記事では、それぞれの意味と読み方、校了と責了の違い、入稿から下版までの流れを、印刷会社・出版社の説明と辞典をもとに説明します。出典によって書き方が分かれる所は、分かれていると書いています。
この記事の目次
印刷・出版の校正で使う「初校・再校・校了・責了」を、流れの順に説明します。校正とは › 印刷の校正とは ›
01初校・再校・校了・責了とは
どれも、印刷物の校正で使う言葉です。校正は回数で呼び方が変わり、1回目を初校、2回目を再校、3回目を三校と呼びます。校正が終わることを校了、直しが少ない時に直す側の責任で校正を終えることを責了(責任校了)と呼びます。
| 言葉(読み方) | 意味 |
|---|---|
| 初校(しょこう) | 1回目の校正。また、その校正刷り(ゲラ) |
| 再校(さいこう) | 2回目の校正。初校の直しが入った校正刷りを確かめる。「二校(にこう)」とも呼ぶ |
| 三校(さんこう) | 3回目の校正。必要なら四校、五校と続く |
| 念校(ねんこう) | 念のために行う校正。行う時期は出典で書き方が分かれる(05で説明) |
| 校了(こうりょう) | 「校正終了」の略。直す所がなくなり、印刷してよい状態 |
| 責了(せきりょう) | 「責任校了」の略。直しが少ない時に、発注者に戻さず、直す側の責任で直して校了にする |
| 下版(げはん) | 校了(責了)になった版やデータを、製版・印刷などの次の工程に回すこと |
(2026年11月4日、コトバンク「校正」「念校」「下版」と、印刷会社の用語の説明(大倉印刷・あいわーくす・吉田印刷所)で確認)
02校正の流れ(入稿から下版まで)
印刷物は、原稿を渡してから印刷に回すまで、次の順に進みます。何回校正するかは、仕事ごとに決めます。
- 入稿(にゅうこう):印刷するための原稿やデータを、印刷会社に渡す。デザイン会社などが執筆者から原稿を受け取ることを入稿と呼ぶ場合もあります。
- 初校:原稿をもとに組んだ最初の校正刷り(ゲラ)を、原稿と突き合わせて確かめ、直す所に赤字を入れて戻す。
- 再校:初校の赤字を直した校正刷りを確かめる。前に入れた赤字が正しく直っているかも確かめる。
- 三校(必要な時):再校の赤字を直した校正刷りを確かめる。直しが残れば四校、五校と続きます。
- 校了・責了:直す所がなくなれば校了。直しが少しだけ残る時は、直す側に任せて責了にすることもあります。
- 下版:校了(責了)になったデータを、製版・印刷の工程に回す。校了・下版の後は原則として直せないので、校了の前によく確かめます。
(2026年11月4日、USS(上田写真製版所)・大倉印刷・ひつじ書房「著者校正のやり方」・コトバンク「下版」で確認)
印刷の校正で見る所は、印刷の校正とはでまとめています。
03誰が何をするか
本や雑誌を作る出版と、チラシやパンフレットを印刷会社に頼む場合とでは、関わる人の呼び方が違います。
| 出版(本・雑誌) | 印刷の発注(チラシ・パンフレットなど) | |
|---|---|---|
| 校正刷りを作る | 組版所が、原稿をページの形に組む | 制作会社や印刷会社が、原稿や素材からデータを作る |
| 確かめる | 校正者が誤字・脱字や事実の誤りを見て疑問を出し、編集者が確かめた後、著者が著者校正をする | 発注した人(依頼者)が、内容や希望どおりかを確かめ、直す所を戻す |
| 直す | 組版所が赤字のとおりに直す | 制作会社や印刷会社が赤字のとおりに直し、次の校正刷りを出す |
(2026年11月4日、文藝春秋 企画出版部「本ができるまで」・ひつじ書房・民間医局クリエイティブ・外為印刷で確認)
04校了と責了の違い
どちらも「校正を終える」ことですが、最後の直しを誰が確かめるかが違います。
| 校了 | 責了(責任校了) | |
|---|---|---|
| どんな時 | 直す所がなくなった時 | 直しが少しだけ残っている時 |
| 最後の確かめ | 発注した人が確かめて、印刷してよいと決める | 直す側が責任を持って直して確かめる |
| 校正刷りへの書き方 | 余白に「校了」と赤字で書く | 直す所を赤字で示し、余白に「責了」と書く |
責了で責任を持つのは誰か
責了で責任を持つ相手は、出典で書き方が分かれます。辞典・百科事典は「印刷所」と書き、印刷会社や制作会社の説明には「デザイン会社や印刷会社」「制作会社」「編集者や印刷会社」などとあります。どの出典も、直す側が責任を持って直し、校了にするという点は同じです。誰が直すかは仕事の形で変わるので、責了にする時は、誰が最後に確かめるかを相手と決めておきます。
05念校とは
念校(ねんこう)は「念のための校正」のことです。行う時期は、出典によって書き方が違います。
- 校了の直前:デジタル大辞泉、USS、大倉印刷
- 責了の後:精選版 日本国語大辞典(プリントネットは「責了後(校了直前)」)
- 三校で終わらない時の、最後の確認:ひつじ書房
また、全体ではなく、直しが残っている一部分だけを見る校正を念校と呼ぶ説明もあります(世界大百科事典、日本大百科全書、大倉印刷)。念校を出すかどうか、どこを見るかは、仕事ごとに相手と決めます。
06色校正との関係
色刷りの印刷物では、文字やデザインの校正とは別に、色を確かめる色校正(色校)を行います。色校正には、次のような方法があります。
- 本機校正:本番と同じ紙・インキ・印刷機で刷る
- 本紙校正:本番と同じ紙に、色校正の専用機で刷る
- 簡易校正(DDCP など):インクジェットなどで専用紙に出力する。本番の色と少し差が出ることがある
分け方は印刷会社によって違い、3つに分ける説明と、本機と簡易の2つに分ける説明があります。色校正と校了の順番も、「色を確かめ終えた所を校了とする」説明(キンコーズ・タクトシステム)と、本文の校了の後に表紙などの色校正を行う例(文藝春秋)があります。
(2026年11月4日、キンコーズ・ゼンリンプリンテックス・ヂヤンテイシステムサービス・タクトシステム・文藝春秋で確認)
07英語での言い方
| 日本語 | 英語 | 説明 |
|---|---|---|
| 初校 | first proof(s) | 最初の校正刷り(Cambridge University Press の著者向け案内で使う言い方) |
| 再校 | revise | 前の校正の直しを入れた校正刷り(Merriam-Webster) |
| 校了・責了 | OK / OK with changes | 著者に送る校正刷り(author's proof)を、「OK」か「OK with changes」と書いて返す(Printing Industry Midwest の用語集) |
| 本機校正 | press proof | 指定の紙とインキで、印刷機で刷る校正刷り(Printing Industry Midwest) |
「OK with changes」は、直しを残したまま返す書き方なので、責了に近いと考えられます(この記事での解釈です。用語集は校了・責了との対応を書いていません)。責了にぴったり当たる英語は、今回の調べでは見つかりませんでした。
(2026年11月4日、Merriam-Webster・Printing Industry Midwest「Glossary of Print Terms」・Cambridge University Pressで確認)
08PDF・WEB・動画での進め方
校正刷りは、紙で受け取るほか、PDFでやり取りする方法もあります。印刷会社の説明では、PDFの校正には次の2つのやり方があります。
- 印刷して書き込む:PDFを紙に出力し、手書きで赤字を入れて戻す
- PDFのまま書き込む:PDFの注釈やコメントの機能で取り消し線や指示を入れ、PDFのままやり取りする。印刷や郵送の手間が省ける
PDFのまま進める時も、校正刷りを出す → 直しを書いて戻す → 直した版を確かめる、を校了までくり返す流れは同じです。一方で、画面では全体を見渡しにくい、受け取る側にもPDFを扱う環境が要る、といった点も挙げられています。また、英国の職業基準では、PDFは紙に刷らない校正(soft proof)で、本番の紙に刷る校正は wet proof だけだと説明しています。
(2026年11月4日、外為印刷「データ入稿、PDFでの校正について」・一向社「PDF校正にする4つのメリット」・UK National Occupational Standardsで確認)
WEBサイトや動画の確認を、印刷と同じように「初校」「校了」と呼ぶとは限りません。それでも、直した版を出す → 確かめる → 直す所を戻す、をくり返して公開してよいと決める流れは、同じ形で進められます。版ごとに「Ver.01」「Ver.02」のように番号を付けておくと、どの版の話かが分かりやすくなります。
09よくある質問
初校と再校の違いは何ですか?
初校は1回目の校正(最初の校正刷り)、再校は2回目の校正です。再校では、初校で入れた赤字が正しく直っているかも確かめます。
校了と責了の違いは何ですか?
校了は、直す所がなくなり、発注した人が印刷してよいと決めることです。責了(責任校了)は、直しが少しだけ残っている時に、発注した人には戻さず、直す側の責任で直して校了にすることです。
責了のとき、責任を持つのは誰ですか?
出典によって「印刷所」「制作会社や印刷会社」「編集者や印刷会社」などと書き方が分かれます。直す側が責任を持って直し、校了にする点は同じです。誰が最後に確かめるかは、仕事ごとに相手と決めておきます。
念校とは何ですか?
念のために行う校正です。校了の直前に行う、責了の後に行う、三校で終わらない時の最後の確認とする、など出典で時期の書き方が分かれます。
校了は英語で何と言いますか?
校了・責了にぴったり当たる言葉は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。米国の印刷業界団体の用語集では、著者に送る校正刷りを「OK」または「OK with changes」と書いて返すと説明されています。
10まとめ
- 校正は回数で、初校・再校・三校と呼ぶ。直す所がなくなれば校了、直しが少しだけ残る時は直す側に任せて責了
- 責了で責任を持つ相手は出典で書き方が分かれるので、誰が最後に確かめるかを相手と決めておく
- 念校の時期や、色校正と校了の順番も、仕事ごとに決める
- PDFでやり取りする時も、校正刷り → 戻し → 直した版の確かめ、を校了までくり返す流れは同じ
PDFのまま赤入れして相手とやり取りしたい時は、校正ツール アカポンが使えます。PDFのまま文字を選んで置き換え・削除・指示を入れられ、直した版を[バージョン更新]で上げて[Ver.01と比べる]を押すと、前の版の赤入れごとに直ったかが分かります(すべてのプラン)。ほかのツールと比べたい時は、校正ツールの比較をご覧ください。
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